AOKI JUN
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三次市民ホール きりり

HIROSHIMA JAPAN

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瀬戸内海と日本海とに挟まれた中国地方の中央に位置する盆地つくられたホール建築である。大都市のホールとは異なり、地元住民が利用する機会が主であることから、日常的でありながら、少し「背伸びをした」空間の質を求めた。また同じ理由から、大小諸室を一巡する回廊でつなぎ、表と裏の区分のないフラットな空間とし、公演内容にあわせて、出演者側区画を自由に設定できるようにした。大きな公演時には、8つのスタジオ、練習室、また150席規模の小ホールまでを楽屋として使用できる。
大ホールは1006席規模で、この町が、出雲から連なる神楽が盛んな土地柄であることから、桟敷席付き長方形平面という日本の伝統的な劇場形式を採用した。
以上の空間を地上5m浮かせているが、それは第一義的には、3本の川が合流する町であり洪水の可能性が報告されているため、周辺住民がここに避難できるようにしたからである。また、二義的には、その結果できるピロティ空間が、駐車場として、また様々な催し物が可能な「余白」として利用できるようにできるからである。

写真撮影: DAICI ANO