合わせガラス内に市松模様—ルイ・ヴィトンのダミエ・パターン—と、ガラスの室内側に、市松模様のグリッドを守りながら、しかし正方形の寸法を変化させることで不透明から透明までのグラデーションを持った市松模様を重ね合わせた外装デザインである。やや白濁した全体から室内の情景が、輪郭を曖昧にした長方形で滲み現れている。外装の施された部分は、1930年クロス&クロスによってつくられた「ニューヨーク・トラスト・カンパニー・ビル」の一角で、それが直接的な影響を受けていたフュー・フェリスのドローイング群、分けても「水晶の束としてのニューヨークの摩天楼」という夢を、70年の時間を経て、実現しようとしている。
-店舗(外装)
写真撮影: Dan Bibb