内外装を問わず全体が、直径10cmの円形という単一の要素の集合でできあがった店舗デザインである。外壁では、2枚のガラス板で密閉されたなかに、直径10cm長さ30cmの透明ガラス・チューブ28,000本余りが、同径の穴を穿たれた2枚の鏡面ステンレス板によって吊られ、それぞれが乱反射を起こすその複眼的な要素が、周辺の光や色を拾って、微妙に表情を変えている。内部は、大きく「広場」と「サロン」に分かれ、その境界面として、直径10cmのステンレス・リングが組み合わされたスキンが使用されている。店舗の空間形は恣意的な複雑さを持つが、こうした単一要素の繰り返しによって、統一感としかし多様な質を生んでいる。
店鋪(外装・内装)
共同設計:Eric Carlson, Aurelio Clementi
写真撮影: Daici Ano