雪冷房システムから断面形が演繹的に導かれる一方、コンピュータで使用されるメタボールと呼ばれるモデリングによって平面形が導かれている事務所建築である。外壁としては除雪車から放擲される雪に小石が混ざる危険からガラスが避けられ、ポリカーボネート製波板が使用されている。冷房熱源としての雪の貯蔵庫が下部に位置するため、主階は2階となり、そこへの自然な動線が確保されるように本体の周囲にスロープと階段ゾーンが設けられている。雪貯蔵量、空気式輻射冷房される部屋の容量、ファンコイルユニットによって水冷式冷房される部屋の容量の3つの比率は、雪冷房システムから割り出され、それによって各室面積比率が決定されている。
協力:媚山政良(雪冷房システム)
写真撮影: Tsunejiro Watanabe