東京国立近代美術館に展示されたインスタレーション作品である。各作家毎の展示室を区画する仮設壁の内側を広げ、そこに裏側の隙間空間をつくっている。隙間空間の壁と天井には壁紙の花柄を700倍に拡大したものが貼られ、床は同美術館前庭の芝生を撮影したものを4倍に拡大したものを貼られた上、透明エポキシ塗料が厚さ2mmで流し込まれている。照明には基準展示室より照度の高い蛍光灯が用いられ、その光が仮設壁の次の部屋への開口端部から明るく漏れている。隙間空間の端部で、固定展示ガラスケースにぶつかる部分では、この美術館の収蔵品中、この作品の主題に親和すると思われた辰野登恵子、香月泰男、須田国太郎の絵画作品が選ばれ陳列されている。
-巡回展(東京国立近代美術館・国立国際美術館)
写真撮影: Tsunejiro Watanabe