青木淳が内装設計を施した画廊「Taro Nasu」において、青木がその空間をどうとらえているかを顕在化することを意図して行われた、青木淳の個展としてのインスタレーション・アートである。画廊は、東京の下町の築48年のビルの1階と地下1階からなり、展示空間はそのうち地下1階にある。その展示室に入っていくことは、まるで東京の襞の奥深くに入り込んでいく雰囲気があり、その湿った暗闇のなかにも、外の東京の喧騒と同じく、激しい生があることを暗示している。展示は、White Chapelで採用されたリングの立体的構成を基本形として、そこから進化していった何種類かの架空の植物により、それらがそれぞれの群を成して配置されている。
協力:安藤優子(テキスタイル)・岡安泉(照明)
写真撮影: Daici Ano