内直径36m外直径最大57mとする一周半分の末広がりの螺旋状スラブを基本的骨格とした建築である。この骨格が盆地状敷地に置かれることで、螺旋スラブと周辺の環境との多様な関係が生まれ、その多様性が教室など各空間に求められる多様な外部との関係を保証している。閉鎖的な庭を必要とする低学年教室では、螺旋スラブが盆地の窪みに接し、長時間室内で学習する高学年教室は螺旋スラブの空高い終点部として、豊かな採光が与えられている。螺旋の内側の中央部は体育館あるいは講堂として使用される空間で、テフロン加工テント膜の浅いドームで覆われている。本体螺旋構造物に付加されている小型螺旋構造物は、螺旋状スロープ全体で一続きの図書館空間となっている。
写真撮影: Watanabe Tsunejiro