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事務所の用途としてつくられている典型的な建物の内装デザインである。既存の岩綿吸音板の天井とフリーアクセスフロアの床が撤去され、窓側に社長室、取締役室、企画室、2つの会議室が設けられ、内側に残された長方形平面の空間が打ち合わせラウンジになっている。打ち合わせラウンジは外周の部屋からすれば中庭のように、外周の部屋は打ち合わせラウンジからすれば縁側のように感じられるように、その間の境界面がデザインされている。境界面は正規の梁の位置から内側に、柱間ごとに1.7m出たところに、レースに和紙を折り込んだファブリックによって視線をコントロールしつつ、全体の比例関係からすれば太いフレームとそこに嵌まる透明ガラスでできている。
写真撮影: Daici Ano